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会社役員の節税対策とは?使える制度と注意点を解説

計算機と帳簿を使って収支を整理する手元

公開: 2026-10-16 / 更新: 2026-10-16 ・ 読了 約4分

この記事の要点

  • 役員報酬は定期同額給与が原則で期中増額は損金不算入リスクがある
  • 退職金は勤続20年超で退職所得控除が年70万円に増え節税効果が出やすい
  • 小規模企業共済は月1,000円〜7万円の掛金全額が所得控除の対象になる

会社役員の節税対策、結論から言うと「報酬設計」と「経費・制度の活用」が軸になる

会社役員の節税対策は、役員報酬の金額や支払い方法を適切に設計すること、そして社宅・退職金・小規模企業共済といった制度を組み合わせて活用することが中心になります。どれか一つの方法だけで大きな節税効果が出るわけではなく、会社と個人の税負担を合わせて考える必要がある点がポイントです。

なぜ役員報酬の設計が節税の出発点になるのか

役員報酬は、会社側では損金(経費)として扱われ、個人側では給与所得として所得税・住民税・社会保険料の対象になります。報酬を高く設定すれば会社の法人税負担は下がりますが、個人の所得税率は累進課税のため、年収が上がるほど税率も上がります。おおよその目安として、課税所得が900万円を超えるあたりから所得税率が33%に上がり、さらに住民税10%を加えると、手取りの増加分が頭打ちになりやすくなります。

逆に報酬を低く抑えすぎると、会社に利益が残り法人税の負担が増えるうえ、個人の手取りも減ってしまいます。このバランスを取るために、法人の利益予測と役員個人の生活費・将来設計を踏まえて報酬額を決める会社が多いようです。

役員報酬以外に検討されやすい節税対策

社宅制度の活用

会社が役員の住居を借り上げて社宅として貸与し、役員から一定の家賃(賃貸料相当額)を受け取る方法です。条件を満たせば、受け取る家賃と市場家賃の差額部分が給与として課税されずに済むケースがあります。ただし家賃の算定方法が複雑で、計算を誤ると追徴課税の対象になることがあるため、顧問税理士への確認が欠かせません。

役員退職金の活用

役員退職金は、在任年数や功績倍率などをもとに「適正額」の範囲内であれば損金算入が認められやすく、受け取る役員側も退職所得として扱われるため、給与より税負担が軽くなる傾向があります。退職所得控除は勤続年数20年以下なら年40万円、20年超の部分は年70万円で計算されるため、長く在任した役員ほど控除額が大きくなります。ただし「功績倍率が高すぎる」「実態のない退職」とみなされると、損金として認められない場合があるため注意が必要です。

小規模企業共済・倒産防止共済の活用

小規模企業共済は、役員個人が掛金を積み立てて将来の退職金代わりにできる制度で、掛金は月1,000円から7万円の範囲で設定でき、全額が所得控除の対象になります。倒産防止共済(経営セーフティ共済)は法人側で掛金を損金にできる制度で、年間の掛金上限はおおよそ240万円、累計800万円まで積み立てが可能です。どちらも解約時に課税されるため、将来の出口戦略まで考えておく必要があります。

計算機と封筒を並べた資金計画の机
計算機と封筒を並べた資金計画の机 /イメージ画像

出張旅費規程の整備

出張日当を支給する規程を整えておくと、一定額までは非課税で受け取れる場合があります。ただし金額が社会通念上相当でないと判断されると、給与として課税される可能性があるため、同業・同規模の会社の水準を踏まえた金額設定が求められます。

失敗しやすいケース

役員報酬を期中に自由に変更して損金不算入になってしまうケースがあります。役員報酬は原則として事業年度開始から3か月以内に金額を決定し、その後は毎月同額を支給する「定期同額給与」という仕組みが前提になっているため、業績が良いからといって期中に増額すると、増額分が損金として認められないことがあります。

また、社宅家賃の計算を自己流で行い、相場より大幅に低い家賃設定にしてしまい、税務調査で給与認定を受けるケースも見られます。退職金についても、功績倍率を根拠なく高く設定して否認されるケースがあるため、過去の支給実績や業界水準を参考に金額を決める姿勢が重要です。

法人成りや組織再編を検討する場合の注意点

個人事業から法人化することで節税効果が期待できる場合もありますが、社会保険の加入義務や設立・維持コストが新たに発生するため、総合的な試算が欠かせません。国税庁の公表資料や中小企業庁の支援情報を確認しながら、具体的な数字は顧問税理士に相談して進めることをおすすめします。

まとめ:制度の組み合わせと専門家確認が前提

会社役員の節税対策は、役員報酬の設計を土台に、社宅・退職金・共済制度などを組み合わせて検討するのが一般的です。ただし制度ごとに細かい要件があり、誤った運用は追徴課税のリスクにつながります。自社の状況に当てはめた具体的な判断は、税理士などの専門家に確認したうえで進めてください。

記事を読んでの感想やご意見があれば、ページ下部のフィードバックからお気軽にお寄せください。内容に関するお問い合わせは、問い合わせフォームから3分程度で送信いただけます。

よくある質問

Q. 会社役員の節税対策で一番効果が大きい方法は何ですか?
A. 状況によって異なります。役員報酬の設計を基本としつつ、退職金や社宅制度、共済の活用を組み合わせる会社が多いですが、効果の大きさは会社の利益状況や役員個人の所得水準によって変わるため、一概には言えません。
Q. 役員報酬を期中に変更すると節税になりますか?
A. 原則として期中の増額は損金不算入になるリスクがあります。役員報酬は事業年度開始から3か月以内に決定し、その後は毎月同額支給する定期同額給与が基本ルールとされています。
Q. 小規模企業共済と倒産防止共済はどちらも使えますか?
A. 制度の目的が異なるため、要件を満たせば併用しているケースもあります。小規模企業共済は役員個人の退職金代わり、倒産防止共済は法人の損金算入と取引先倒産時の資金繰り対策という位置づけです。詳細な条件は公式情報で確認することをおすすめします。
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