株の損益通算で節税する方法と2026年の手続き
この記事の要点
- 損益通算で相殺できた損失額の約2割程度が節税効果の目安
- 損失は翌年以降3年間繰り越せるが毎年連続申告が必要
- NISA口座の損失は他の利益と損益通算できない
株の損益通算で節税できるかは「利益と損失が同じ年にあるか」で決まる
株の損益通算とは、同一年中に出た株の利益と損失を相殺し、課税対象となる所得を減らす仕組みです。これにより源泉徴収された税金の還付を受けられる場合があり、さらに損失が残れば翌年以降3年間繰り越して将来の利益と相殺することもできます。この記事では、損益通算の仕組み、節税効果の目安、確定申告の手順、よくある失敗例までを約3000字で順に解説します。
損益通算とは何か
損益通算は、株式や投資信託などの譲渡所得・配当所得の間で、利益と損失を相殺できる制度です。例えばA口座で50万円の利益、B口座で30万円の損失が出た場合、相殺後の課税対象は20万円になります。
対象となるのは主に次の所得です。
- 上場株式等の譲渡損益
- 上場株式等の配当所得(申告分離課税を選択した場合)
- 特定公社債等の利子・譲渡損益
非上場株式の譲渡損失や、NISA口座内で生じた損失は原則として損益通算の対象になりません。NISA口座は利益が非課税になる一方、損失が出ても他の利益と相殺できない点に注意が必要です。

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節税額は税率と相殺できる損失額で変わります。株式等の譲渡益・配当には原則20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)の税率がかかるため、相殺できた損失額の約2割が節税効果の目安になります。
例えば、年間でトータル100万円の損失が出ていて、他の口座で80万円の利益が出ている場合、損益通算により課税対象はゼロになり、源泉徴収されていた約16万円程度が還付される計算です。相殺しきれなかった20万円の損失は、翌年以降に繰り越すことができます。
この還付額は投資規模や損益の出方によって数万円から数十万円程度まで幅があり、確実な金額を事前に断定することはできません。
確定申告の手順(複数口座がある場合)
証券会社の特定口座(源泉徴収あり)を1つしか使っていない場合は、口座内で自動的に損益通算されるため申告は不要なケースが多いです。ただし次のような場合は確定申告が必要になります。
- 複数の証券会社に口座があり、それぞれで利益・損失が出ている
- 損失を翌年以降に繰り越したい
- 配当所得を申告分離課税で申告し、株の譲渡損失と相殺したい
手順はおおむね次の流れです。
- 各証券会社から「年間取引報告書」を取得する
- 口座ごとの損益を合算し、相殺できる金額を計算する
- 確定申告書第三表(分離課税用)を作成する
- 損失を繰り越す場合は、繰越控除の明細書を添付する
- e-Taxまたは税務署窓口で申告する
繰越控除を利用する場合、損失が出た年だけでなく、その後利益が出ていない年も含めて毎年連続して確定申告を行う必要があります。一度申告を途切れさせると繰越控除が打ち切られることがあるため注意してください。
よくある失敗例
損益通算に関しては、次のようなケースが起こりがちです。
- NISA口座の損失を特定口座の利益と相殺しようとして、対象外だと後から気づくケース
- 損失を繰り越すために申告したあと、利益が出ていない年の申告を忘れて繰越控除が途切れてしまうケース
- 複数の証券会社の年間取引報告書を1社分しか反映せず、相殺できる損失を見落としてしまうケース
- 配当所得を総合課税で申告してしまい、譲渡損失との損益通算ができなくなるケース(配当控除は使えても損益通算には申告分離課税を選ぶ必要があります)
こうした失敗は、申告前に全口座の年間取引報告書を揃え、課税方式の選択を確認することである程度防げます。
損益通算と繰越控除を使う際の注意点
繰越控除を利用した年に新たにNISA口座を使い始めた場合、NISA内の利益は非課税のままで繰越損失と相殺する必要がない点も意識しておくと整理がしやすくなります。また、税制は毎年見直しが行われるため、最新の要件は国税庁の公表情報で確認することをおすすめします。
まとめ
株の損益通算は、同一年中の利益と損失を相殺し、源泉徴収された税金の還付や将来の節税につながる仕組みです。節税額は税率と損失額によっておおよそ決まりますが、口座の種類や申告方法によって対象外になる場合もあるため、確定申告前に全口座の損益を確認することが重要です。具体的な申告方法や控除額の判断に迷う場合は、税理士や税務署への相談、国税庁の公式情報での確認をおすすめします。
よくある質問
- Q. 株の損益通算に確定申告は必ず必要ですか
- A. 1つの特定口座(源泉徴収あり)のみ利用している場合は口座内で自動計算されるため不要なことが多いですが、複数口座がある場合や繰越控除を使う場合は申告が必要です。
- Q. NISA口座の損失は損益通算できますか
- A. 原則としてNISA口座内の損失は他の口座の利益と損益通算できません。NISA口座は利益が非課税になる一方、損失は税務上ないものとして扱われます。
- Q. 損失の繰越控除は何年間使えますか
- A. 翌年以降3年間、繰り越した損失を将来の株式等の利益と相殺できます。ただしその間毎年連続して確定申告を行う必要があります。



